2008年02月04日

2008年1月19日  B.DASH

足かけ3年目に突入したB.DASH 上映会。今月は、BABACHOP制作の林和哉監督「いろえんぴつ」初公開ということもあり、超満員で活気溢れる上映会となりました。今月は、司会にお笑いの「牛乳フランクリン」さんが登場。2月のお笑いライブの宣伝もあったのでしょうが、彼らにとっては場違いな状況で、かなりやりにくかったのではないでしょうか?。もちろん、経験を積むという事では貴重な体験だったと思いますが、上映会という流れの中では、ちょっと余計な時間だったように思います。

本日の上映作品
●渡辺勇児監督 「夏を終わらせる儀式」(23分)
閉塞感漂う映像とストーリー。出口が定まらない青春はそれなりに魅力的ではあるが、もう一つ突き抜けていない。この手の作品はそこを突き抜けるかどうかで面白いかどうかが決まる。勿論、閉塞感の中で安堵するのも一つの手ではあるが、タイトルを見る限りはそのような作品ではないと思う。
● 古川達郎監督「My Dear Friends」(51分)
古川達郎監督のユーモア溢れる作品。いろいろ難点はあるが、女優2人の掛け合いが面白い。特に前半の流れは秀逸。TV的ホームドラマの系列だが、その基本をしっかり踏まえた上で造られているのが古川監督らしい。
● 阿部誠監督「Lane」(25分)
阿部誠監督のヤクザファンタジー。ストーリーも映像もいつか何処かで見たような作品。やりたいことは解るが、もう少しオリジナリティが欲しい。しかし、今回も女優陣の美しさは抜群でした。
●山岸信行監督「死びとたちに捧げるブルース」(21分)
新ジャンル「ブルースホラー」とでも名付けたい作品。これもまた山岸監督一連のホラー作品ではあるが、ブルースマン(ミュージシャン)という設定が適度なハードボイルドを全面に押し出し、独特の雰囲気を醸し出している。山岸作品の8mm旧作は機会があればリメイクして欲しい作品が多いのだが、この作品もぜひリメイクして欲しい1本だ。
● 林和哉監督「いろえんぴつ」( BABACHOP制作)
「いろえんぴつ」は突っ込み所はたくさんあるが、奇策を使わずオーソドックス1本やりで勝負した2008年初頭を飾る佳作である。
 短編というワクを十分に計算し、ムダを徹底的に排除したシナリオがキラリと光る。短編のシナリオとしては、泣かせ所も多少突飛ではあるが、しっかり書かれているのが成功の原因だろう。
 もっとも、映像的にはアップの多投が目立ち案外平凡。実際、アップの多投により、役者の表情がベストでないカットも多数あり、せっかくの素材が100%活かされていないのが残念だった。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 02:30| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月03日

2007年インディーズ映画ベスト10

2007年は、無意味な多忙のため、鑑賞本数は、新作、旧作合計88本とほぼ昨年並みでした。このうち再見を除くと70本。その殆どが馬場チョップシアターでの鑑賞となりました。今年も、話題の作品を数多く見逃しているため、去年同様、気になった作品10本を紹介するに止めます。独断と偏見で選んだ10本。一応1監督1作品、制作年度はなるべく新しい物を選びました。
 今年の傾向としては、昨年スタートした、B・DASH上映会がなんとか定着。ホームページを持つ自主映画団体以外の作品を多数見ることができたのが収穫の一つです。その反面、映画を作ることには熱心ですが、公開の努力を怠っている作品も数多く見られ、せっかくの作品が多くの人に届かないで終わるという状況も多いようです。確かに、各コンテストに応募する事は大切ですが、審査員に見てもらうよりも、多くの観客に見せることこそが大切なことではないでしょうか?。

2007年ベスト10
●岡本泰之監督「MILK MAN2」
公開が待たれていた「MILK MAN」の続篇がついに公開。それは、ある意味では2007年の事件といっても過言ではないでしょう。スピーディなテンポでたたみかけてくる映像のポップな感覚は、現代日本の良質なエンターティンメントでありました。
●石井裕也監督「反逆次郎の恋」
去年「剥き出しにっぽん」でPFFグランプリに輝いた石井監督の代表作。見る側として、PFFの使命は。既に終了していると思いますが、作り手にしてみれば、まだまだビックなコンテストのようです。作品自体はまだ、ぎこちない所がたくさんあると思いますが、それを遥かに上回る若さのパワーが炸裂していて、逆に魅力ある作品となっています。精力的に発表を続ける石井監督の動向はインディーズ、メジャーの括りを越えて2008年の台風の目になるかも。
● 中野香、松本亮介演出・撮影・編集「ゆいもの」
日本映画学校の卒業制作作品。一見すると不安定要素の多い作品ですが、その分、どうなってゆくのか解らない、ハラハラドキドキの魅力ある作品でした。主演の中野香(演出も)が自問自答しながら自身の内面を掘り下げてゆく事で、中野香の家族、そして社会が全面に押し出されできます。それはあくまで、中野香の青春の彷徨、ただそれだけの事なのですが、中野香を通して、現在の混沌とした日本社会が見えてきます。その混沌は正しく現代社会の一部分のようであり、製作グループがどこまで計算していたかはわかりませんが、この感覚は見事でした。青春真っ直中の中野香の存在感は、まるで、新しい女優の誕生に立ち会うような感覚でした。
● 吉本昌弘監督「マオン」
2007年の大きな収穫の一つにB-SHOT PICTURESが企画した「怪奇劇場3」の上映会が挙げられます。これは、B-SHOT PICTURES主宰の山岸監督の呼びかけで、ホラーテイストの新作ばかりを集めた上映会。池の上シネマボカンと馬場チョップシアターで3回の上映会は、全て満員。久々の活気溢れる上映会でした。吉本監督の「マオン」はその時公開された中の1本です。全編モノクロで作られた映像は、昔の怪談映画を彷彿させて迫力満点。グイグイと引っ張って行くストーリーはさすがです。恐怖映画の定番を意識しつつ、それを微妙に外しながらの展開は、ある面マニアックとも言ますが、思わずニヤリとしてしまいます。古いようで、とても新鮮。その辺が「マオン」の魅力でした。
● 小原茂樹監督「カワカナイカサブタ」
どんぱちの小原監督の作品も、2007年馬場チョップで上映されました。小原監督の作品を見るのは、これで3本目ですが、シリアス・ドラマは初めて。監督自らが主演したアクションあり、ラブシトーリーありの娯楽作品です。ドラマの対立軸がはっきりしているので、見ていてワクワクしました。タイトルの「カワカナイカサブタ」は作品の内容を見事に現していて秀逸です。ベスト10でピックアップした作品としては一番古い作品だと思います。
● 名取祐一郎監督「鳥獣剣士」
この作品は、某企業のPR作品として万博で上映されたそうです。その意味では商業映画ではありますが、馬場チョップシアターで上映されたこともあり、作品の完成度の高さで、ピックアップしました。鳥獣戯画のアニメ版という発想はよくあるものだとは思うのですが、巷に出回っているアニメとはひと味違う原画のセンスがとても楽しい作品でした。
● 柚口裕介監督「サロン・デ・ジプシー」
理想の美容院を求めてさすらう主人公。目の付け所が盲点でした。短編ながら、見応え十分なのは、作者の観察眼が細部まで行き届いているからなのでしょう。2007年の拾い物の1本でした。
●古川達郎監督「凪呼人(なぎよびひと)」
この作品もB-SHOT PICTURESが企画した「怪奇劇場3」で上映された作品です。この作品は古川作品としては、ベストとは言えないまでも、古川監督の肩の力を抜いた小気味良い演出を堪能しました。この辺は自主系の若手監督ではちょっと無理かもしれないベテランの味でしょう。ヒロインの宮田愛里のイキイキとした演技。さらに、もう演技派と言っても良いでしょう、星野佳世の手堅いフォロー。古川監督の安定した演出は2007年も健在でした。
● 山岸信行監督「邪神島」
山岸監督の作品は、いつものホラー作品というよりも、ミステリーゾーンなどの幻想怪奇映画という趣でした。この作品も「怪奇劇場3」で上映された作品ですが、上映会の企画者としてはオーソドックスなホラー系ではなく、傍系のSFファンタジーで望んだ所に心意気を感じました。2007年は馬場チョップシアターで山岸監督の旧作を見る機会も多く、その意味では、古川監督と同様ベストな作品ではありませんが、安定度が高く、自主映画におけるプログラムピクチャー的感覚を持った貴重な監督であることを再認識させてくれた1本でもありました。
● 堀翔子監督「The Moment」
海外に派遣されたOLが孤軍奮闘するドタバタ・ムービー。作品を作る途中で、監督自身いろいろな葛藤があったのでしょう。冒頭とラストでは作品のトーンが全然違いますが、そこに映画作りの面白さと苦悩が滲み出ていて、とても好感が持てました。ある種、開き直りとも思えるほど、監督自身の人間性、メッセージが素直に出ていたと思います。(担当:犬 大太)
posted by 13号倉庫 at 06:55| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月31日

2007年12月15日  B.DASH

今年最後のB.DASH上映会は、自主映画のベテラン監督作品が勢揃い。これじゃ、豪華顔見世興行じゃないか。そんなわけで、かなり集客が望めるだろうと踏んでいたのですが、開始前までは5〜6人と案外出足が悪く先が思いやられました。しかし、直前になって多数のお客さんがなだれ込んで、場内はほぼ満員状態。うーん、この辺は、上映開始直前まで客入れをしない、映画館のシステムが定着してきたのかな?(馬場チョップ・シアターはそんなことありませんが……)。
 今回の番組は、定評ある作品のオン・パレードで、見応えも十分ですが、若い作家の出品が無くチョット残念。もっとも、若い人たちのムーブメントは今一つ解らないので、来年は、その辺を課題の一つに考えています。

本日の上映作品
● 古川達郎監督「海が見える駅で」「春を待つ日」(連作26分)
古川監督の瑞々しい感覚溢れる連作。大林宣彦監督のテイストを踏襲しつつも、オリジナリティ溢れる演出は見事でした。古川監督がこんなに映像派だったとは!。また、若かりし頃の星野佳世の瑞々しい演技がとても魅力的でした。
● 石毛誠監督「殴り込みロンリネス」(38分)
先月の上映会で上映された、中村幸一監督「ヒットガールヒトミ」と同じ原作から制作された作品。この作品が一番原作に忠実だったそうです。作品としては、冒頭、しびれるようなローアングルの多投で緊張感が漂っていたのですが、次第に恋愛映画テイストに突入。最後はほとんどラブストーリーという感じでした。結局、ヤクザは付け足しのようで、恋愛との融合はぶっ飛んでしまったようです。これは、原作がそうなっているのか?、演出のリズムがそうなのか?。多分、「セーラー服と機関銃」あたりがモデルになっているんだろけど……。案外ヤクザ映画に対する思いこみが不足しているのかもしれません。
●堀井彩監督「東京女」(36分)
ついに堀井監督の代表作もB.DASHで上映されました。これは、ちょっとした快挙かも。「東京女」はビデオで何回か見ているので、今回は大スクリーンで、じっくりと見せていただきました。堀井監督の演出は息苦しい程重厚で、迫力十分。しかし、意外と、物語性が稀薄なように思います。勿論、物語よりも登場人物の雰囲気で流れていく映画もたくさんありますが、せめて、結末だけは明確にしてほしいものです。主演の宮川ヒロミさんの体を張った演技にかなり救われている部分が多いんじゃないかな?。確かに特筆すべき作品ではありますが、作家性としては、どうなんでしょうか?。
● 岡本泰之監督「油揚げの儀式」(65分)
B.DASH今年のトリはこの作品。スクリーンで見るのは久々でしたが、今回は発色がとてもクリアでした。この辺はプロジェクターの優劣もかなりありそうですが、馬場チョップ・シアターのプロジェクターは案外優れ物?。この作品は、DVDでも出ているし、大手レンタル店でレンタルもしているので、見逃した方はぜひ。
 「油揚げの儀式」に関しては、何回も書いているので、そちらを見ていただけば十分だと思います。ただ、これは好みの問題ですが、うーん、関西弁は今回も違和感アリでした。

自主映画に関しては、今年も馬場チョップ・シアターに大変お世話に鳴りました。来年もバラエティある作品の上映を期待しています。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月30日

2007年11月17日  B.DASH

11月のB.DASH上映会。観客の入りはもう一つでしたが、期待の作品が目白押しで、今回も充実した上映会になりました。今回も、良く言えばバラエティに富んだ番組編成、悪く言えば雑多な作品のオンパレードでしたが、大体映画などというものは、そういうもので、そこからのチョイスもまた、楽しみの一つです。

本日の上映作品
● 中村幸一監督「ヒットガールヒトミ」
先月に引き続いての中村監督作品は、お馴染み自主映画団体の重鎮が多数ゲスト出演しているヤクザラブストーリーでした。各団体の監督の皆さん達は、案外芸達者で、演技もなかなか。配役をみるだけでも、見応え十分。作り手の楽しみが存分に伝わってくる、アマチュア精神あふれる1本でした。
● 栗林賢司監督「その時、灯は消えた」
12月に新作「マゼンダの聖女」を発表される、栗林監督の旧作。ちょっと印象が薄かったですが、やはり撮り続けることが大切だと思います。
● 林和哉監督「監禁屋」
監禁という異様なテーマはなかなか良いのですが、ストーリがもう一つ。途中でバレバレになる悔しさが残ります。演出など、目に見える部分は悪くないのですが、問題は、作品のテーマや厚みですね。この辺は、マニュアルなどないので、撮り続けるしかないでしょう。
● 山岸信行監督「プレイ・バック」
山岸監督のイメージとしては、やはりホラー映画監督という所ですが、この作品は、その枠を飛び越えた娯楽アクションン作品でした。ムダのない映像とストーリー展開はハードボイルドな雰囲気をも醸し出す。主人公の存在感は抜群。山岸演出が冴え渡る珠玉の1本でした。
● 阿部誠監督「These Days」
阿部監督の珍しいホラー作品?。当然恐さというよりも阿部監督らしい人間味溢れる1本になっています。ストーリーは、結構先読みできてしまうので、困りましたが、阿部監督のパワーは健在でした。
● 石井裕也監督「東京の空の雲はナテデココ」
この日から劇場公開となった「ガール・スパークス」の宣伝を兼ねて、特別公開となった短編作品です。約20分という時間のなかに、手際よく詰められた映像の面白さは抜群。しかし、石井監督の長編に見られた、物語と感性の絶妙な融合は、ちょっと影を潜めて、感性1本、ストレートでパワフルな展開となっています。短編ゆえ、ストーリー性ではなく感性で押し切ろうとしたあまり、演出がちょっとあざとくなったようにも思えますが、それはそれなりでキラキラと輝いています。もちろん、この辺は石井監督の若さ故の部分なのでしょう。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月17日

2007年10月20日 B.DASH

今月のB.DASHもバラエティに富んだ作品が集合しました。今回はベテラン組VS新鋭作家という構図がはっきりと見えてきたラインアップでした。今回はどちらかというとベテラン組の圧勝でしたが、新鋭作家グループは、もう少し表現の出し方を研究した方が良いんじゃないかな?。新鋭作家グループは、センスの良い作品が多かったので、これからが楽しみです。

本日の上映作品
● コダヨシキ監督「E-VIL」(38min.)
ノンストップ、パワー溢れるスピード感。纏まりも悪くはない。病院を舞台に繰り広げられるファンタジーなホラー・サスペンス。少女の精神世界の中で起こる数々の展開は上手くまとめられているのだけど、最後の展開が無難というか平凡でした。話自体もどこかにあったような……。
● 田中啓資監督「ギャグ・ギャング」(19分)
延々と続く会話。演出も役者もやりたいことは十分解るのだけど、19分はちょっとキツイ。マンザイじゃないんだからもう少し、映像を信じても良いんじゃないか?。
● 柚口裕介監督「サロン・デ・ジプシー」(11分)
理想の美容院を求めてさすらう主人公。目の付け所が良いね。短編ながら、見応え十分なのは、作者の観察眼が細部まで行き届いているからなのでしょう。今回の拾い物の1本でした。
● 中村幸一監督「生きる3 希望の橋」(30分)
案外オーソドックスな作品でした。それ以上でもそれ以下でもないのですが、この辺が自主映画らしいと言えば自主映画らしい作品だったと思います。作者の言いたいことは確かに伝わってくるし、ロケや特撮など、それなりに頑張っています。しかし、作品としては、面白くないのが玉にキズ。たぶん、監督の真面目な人柄がストレートに反映したからなのでしょう。
● 古川達郎監督「「僕の彼女は・・・」(10分)
これは古川監督が「エビ天」で銅監督を獲った作品ということで、今回の上映では、その時の様子も一緒に上映されました。それはもう、10年以上も前のことですが、前回上映のサイレント作品のような映画的センスは昔からあったのですね。今回は、ベテラン・インディーズ監督の貴重な作品を堪能しました。
●岡本泰之監督「MILKMAN」&「MILKMAN2」(合計43分)
「MILKMAN」は、90年代インディーズ映画の代表作であり、傑作であるということを、ここで宣言しておきます。そして、この作品(シリーズ)はある意味、この国のインディーズ・個人映画作品としても歴史的な作品であるということを声高に宣言しておきます。
 この2作品には、岡本監督の発想の豊かさ、技術への挑戦をはじめ、映画本来の面白さが満載されています。また、永遠のジャニーズ、主役の加藤さんの存在感も、映画の中だけでなく、見る人の脳裏に深く刻みこまれます。今年封切りとなった「MILKMAN2」のバカ騒ぎは、まるで、「ええじゃないか」を彷彿させるパワーあふれる名シーンでした。シンプルな音楽も抜群の効果で、不毛の2007年をさりげなく批評している、というのはちょっと大袈裟かもしれませんが、久しぶりに爽快感溢れる作品だと思います。必見!。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 14:44| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月07日

2007年9月15日 B.DASH

B.DASH上映会も回を重ねて13回。怒濤の1年を乗り切ったようです。これは正にオーナーの宮田さんの熱意と努力の結晶だと思います。自主映画の上映場所としてもある程度定着してきたようにも思いますが、なかなか観客が集まらないのも現実です。これからも上映会を続けて行くためには、何が必要なのか?、いろいろな面で楽しみな2年目のスタートになりました。

本日の上映作品
● 大野将志監督「ロゼオ」(39min.)
最近の自主映画監督の作品は、それなりに上手いとは思うのですが、もう一つ何かが足りないようにも思います。多分、世の中が妙に平和なので、テーマが見つかりにくいのかもしれません。この作品も強引なストーリーで39分がとても長く感じました。話をでっちあげた後の展開はそれなりに進んで行きますが、冒頭が今ひとつリアリティ不足なので、かなりきつい。もっともドラマは大抵何かが起きなければ始まらないのですが、その辺はいろいろと勉強するしかないでしょう。
● 吉本昌弘監督「ピーナッツ」(32min.)
この作品を見るのはこれで2度目です。久ぶりに見ましたが今回もワクワクしながら見る事が出来ました。中間には多少のオチャラケもありますが、導入部とラストがしっかりしているので、その辺は別段問題にはなりません。トータルな語り口と演出のバランス感覚はさすが見事です。
● 山岸信行監督「東京冬物語」(16min.)
この作品も何回も見ている1本です。上映の状態は今までの中では今回が一番良かったように思います。山岸監督の旧作の1本ですが、案外上映回数が多いのは、山岸監督のお気に入りの1本なのかも?。
● 古川達郎監督「わかなちゃんのバレンタイン」(4min.)
古川監督の最近の作品は結構見ているつもりでしたが、この作品は初めて。4分の短編ですが、余計な部分を極力排除した分、余韻が残り、見事な傑作となっています。サイレントで作った意味が十分理解出来るし、いつもの古川監督の作風がくっきり見えています。むしろそれだけかも。作家のスピリッツがあふれ出ている作品でした。
● デビッド・サンダース 監督「Microbravity」(12min.)
12分の短編ながら、かなり制作費がかかっているのかも。特撮とカメラワークがなかなか魅力的な作品ではありましたが、ストーリーはもう一つじゃないかな?。というか、やはり見所は技術なんでしょうね。
● @KINO監督「萌え萌えハンター」(20min.)
狙いはもの凄くわかるのですが、うーん……。見事に予想通りの展開だったので……。多分、それなりの商売にはなるのかも知れませんが、うーん……。
● 林 和哉監督「キリゴコロ」(34min.)
ここ数ヶ月、林監督の短編を見ましたが、今回の「キリゴコロ」は案外良いんじゃないかな?。勿論、短編に比べてなんですけど。ラブストーリーとしてテーマがはっきりしているというか、案外身近なテーマなので、それが良かったんだと思います。継続は力なり。1作1作上手くなっていって欲しいですね。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 09:07| Comment(0) | TrackBack(1) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月03日

2007年8月18日 B.DASH

止まる所を知らない猛暑の中のB.DASH上映会でした。今月も、PFFグランプリを獲得した石井裕也監督作品の特別上映はじめ、貴重な作品が集まりました。もっとも、PFFは見る側にとっては、その使命はすでに終了したかのように思いますが、製作側にとってはまだまだビッグなコンテストのようです。
 また、デジスタ(NHK)で去年、ベストセレクションに選ばれた名取祐一郎監督の作品も上映され、充実した上映会となりました。

本日の上映作品、
● 堀翔子監督「The Moment」(30分)
今回最初の上映は、現役の大阪芸大生堀翔子監督の「The Moment」。海外に派遣されたOLが孤軍奮闘するドタバタ・ムービーでした。多分、作品を作る途中で、監督自身いろいろな葛藤があったのでしょう。冒頭とラストでは作品のトーンが全然違うのだけど、そこに映画作りの面白さと苦悩が滲み出ていて、とても好感が持てました。ある種、開き直りとも思えるほど、監督自身の人間性、メッセージが素直にでていました。素朴な作品ではありますが、堀監督の他の作品や、新作が楽しみです。
● 山岸信行監督「WILD STREET」(46分)
山岸監督作品の魅力は徹底した娯楽性だと言ったら、褒め過ぎだろか?。それは映画としては重要な要素の一つではありますが、当たり前すぎるのか、案外と軽んじられているよにも思います。95年製作の本編は、今回の上映作品の中では最も制作年代が古い作品ではありますが、むしろ当時の風景さえもが郷愁を生むという事を考えると、ひょっとすると昔よりも娯楽性は増加しているようにも思います。8mm、アフレコなので、かなり見ずらい状況ですが山岸監督のアクションへの思い入れがひしひしと伝わってくる作品。自主映画のベーシックな歴史と奧の深さを感じる1本でした。
● 名取祐一郎監督「鳥獣剣士」(15分)
首相になりそこねた麻生さんは、この作品を見ているのでしょうか?。鳥獣戯画のアニメ版という発想はよくあるものだとは思うのですが、その手の作品が少ないのは、原画の完成度の高さと、製作側の志の問題だと思います。勿論この作品はその辺を大胆にクリア。CG等の技術的な事は良く解りませんがとても良い作品でした。ボクは巷のアニメはほとんど見ませんが、こういうセンス溢れるアニメは大好きです。この作品、万博のために作られた作品との事ですが、自主映画同様、PR映画や文化映画の中にも、面白い作品がたくさんあるので、あなどれません。
●石井裕也監督「反逆次郎の恋」(89分)
石井監督自身が最も気に入っているのが今回上映のこの作品。ボクが見た3作品の中でも、この作品が一番弾けていてパワー全開のように思います。石井作品自体はまだ、ぎこちない所がたくさんあると思いますが、それを遥かに上回る彼のパワーは、ダントツです。ストーリー、映像、キャスティングなど、一つ間違えればかなり厳しい所ですが、若さのパワーが炸裂していて、逆に魅力ある作品となっています。若さゆえのデンジャラス・ゾーン。それが石井監督の魅力かな?。現在の石井監督作品もオススメですが、10年後の彼の作品がとても楽しみです。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月30日

2007年8月4日 B-SHOT PICTURES「怪奇劇場3」 

今夏期待の上映会、B-SHOT PICTURES「怪奇劇場3」に行って来ました。自主映画では名だたる監督の競演、それも全て新作、夏にふさわしい怪奇映画の7本立という豪華ラインアップ。遙か昔の映画館、○○大会を彷彿させる上映会でした。問題はお客の入りでしたが、2度のシネマボカン、そして9月のババチョップシアターと3回上映、全て満員御礼との事。ある意味真夏のオールスター、各団体の座長興行という側面もあったと思いますが、これからの自主映画興行の先鞭をつけた上映会としても記憶に残るイべントでした。この上映会は、上からの企画ではなく、日頃、悪戦苦闘しながら活躍している監督や関係者の中から出てきたのが、成功の要因だったのでは?。それと、会場を提供した、シネマボカン、ババチョップシアターの積極的な後援も特筆されるべきだと思います。
 これは、虫の良い話ですが、この手のイベントがあと幾つか揃えば、自主映画の状況も変化してくるように思います。

さて、「怪奇劇場3」の上映作品ですが、監督の個性、資質の違いがはっきり見える上映会で、恐怖という縛りがあったにも関わらず、バラエティーに富んだ上映会になりました。今回は、自主映画の世界ではどちらかというとベテランの監督が多く、それぞれ独自の表現力をしっかり持っていたのが、成功の原因でしょう。

本日の上映作品
● 岡本泰之監督「愛と憎しみの果てに」(20分)
西洋ホラー作品のような豪華でデリシャスな岡本監督作品。前作「ミルクマン2」程のぶっ飛びはないものの、一つ一つの映像にこだわりを感じるのは、いつもの岡本作品ならではのものです。全体的には意外とまともな展開のようにも思います。岡本監督作品としては、本人が楽しみながら作っちゃったような感じが見受けられるので、その辺がもう少しという感じがしないでもないのですが、案外その辺は岡本監督の性格がにじみ出ているようにも思います。
● 有瀬訓晴監督「連れて来たらしい」(13分)
この作品をコメディーと言ったら、多分、監督から怒られてしまうでしょう。ストーリー自体は間違いなく恐怖物なのですが、映像やテンポが見事にコメディーその物になっています。案外オーソドックスな展開なので、監督の真面目さが伝わってきますが、それがまた作品に輪をかけてしまっています。それが天然なのか、狙いなのかはこの作品だけでは解りませんが今回の上映会の幅を広げた貴重な作品でした。
● 石毛誠監督「連れてって!」(6分)
意外とカッチリした作品でした。そう見えるのもロケ地がなかなか良いからなのですが、途中からどう落とすのかが気になりました。結局、落ちは無かったのですが、これはこれで、良いんじゃないかな?。
● 山岸信行監督「邪神島」(31分)
待望の山岸監督の新作は、いつものホラー作品というよりも、ミステリーゾーンなどの幻想怪奇映画という趣でした。上映会の企画者としてはオーソドックスなホラー系ではなく、傍系のSFファンタジーで望んだ所に心意気を感じます。今回の上映会では案外さりげない作品ですが、ちゃんと自己主張している所は山岸監督ならではのもの。自主映画におけるプログラムピクチャー的感覚を持った貴重な監督であることを再認識させてくれた1本でした。
●古川達郎監督「凪呼人(なぎよびひと)」(22分)
古川監督の肩の力を抜いた演出が小気味良い。この辺は自主系の若手監督ではちょっと無理かもしれないベテランの味かも。その中で、ヒロインの宮田愛里がイキイキとした演技を見せる。さらに演技派(もうそう言っても良いでしょう)星野佳世の手堅いフォロー。古川監督のどっしりとした演出は今回も健在でした。ただ、22分で見せるにはもう少しストーリーを考えたほうが良いかも。うーん、もう少し長かったほうが、古川監督の演出リズムが鮮明になったかなぁ?。
● 吉本昌弘監督「マオン」(16分)
モノクロの映像は、昔の怪談映画を彷彿させて迫力満点でした。その点では定番なのだけど、グイグイと引っ張って行くストーリーはさすがです。もっとも定番すぎて、ずるいと言えばずるいのですが、こう、ストレートに出されてしまってはニヤリとするしかないでしょう。古いようで、とても新鮮。その辺が「マオン」の魅力でした。
●黒坪努監督「その部屋」(20分)
主催者側の意図はわからないでもないのですが、ラストがこの作品というのはちょっとキツかったです(2回・最終上映では、初日の順番とまったく逆の上映順だったらしい)。確かに正統派の作品だと思いますが、テンポがもう一つで、乗れませんでした。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(1) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月14日

2007年7月21日 B.DASH

今月のB.DASH上映会は、本日上映の監督さんのお知りあいがたくさん来ていたので超満員。上映前から活気があり、とても良い雰囲気でした。やはり、お客が多いと会場の雰囲気も違います。B.DASHも、ここ数回とても良い感じの上映会になってきたように思います。

●本日の上映作品
洗井続久監督「前夜」(60分)
スカム2000の頃から、洗井続久監督の代表作といえば「前夜」の名前が挙がっていましたが、今回の上映会でやっと見る事ができました。
 洗井続久監督の作品は去年の傑作、「hot moon,honey dog」のようなコメディー系作品が多いのですが、これは、しっとりと見せるドラマ系の作品です。その意味では技術的なものよりも、作者のセンスがより問われる作品でした。実際、数年前の作品という事もあり、技術的な作品の出来としては、そんなに良い出来だとは思いませんが、自主映画には少ない、等身大の女性の彷徨をクリスマス・イブ(前夜)に絡めて描いた作品で、脚本の、もとおりかなこのセンスが随所に光る快作でした。
● 林和哉監督「Pray」(8分)
やりたい事はある程度解るのですが、いかんせん脚本が弱いように思います。勿論ショートムービーなので、その辺の難しさは解りますが、もう一つ、二つ、三つ決め手が欲しかったです。綺麗な映像と役者の芝居に重点を置いているのは解りますが、その分、テンポが散漫になり、ちょっと退屈してしまいました。
● 小原茂樹監督「熱球物語DX」(20分)
数年ぶりに見る「熱球物語DX」は、やはり面白かったです。今回は2度目なので冷静に見ることができ、案外、荒も目立ちましたが、それでも、笑いの基本がしっかりしているので、この面白さは不滅です。
●山岸信行監督 VOODOOBLOODシリーズ三部作一挙上映
第一話「闇から響く声」(19分)
第二話「呪われた町」(28分)
第三話「地獄への扉」(18分)
山岸監督のVOODOOBLOODシリーズ三部作一挙上映を見るのは、2回目ですが、やはりこういう上映会ではバラのほうが良いんじゃないかなぁ。時間的な制約もあったのでしょうが、2話、3話は連作なので、間に休息が入ったのは、ちょっときつかったです。
●マッドシティ監督「ART」(5分)
頭出しの上映トラブルがあったので、どこからがスタートだったのかは良く解りませんでした。今回の作品は、近年のワイドショー的手法を使い、顔のない出演者が音声を変えて作品論を一方的にまくしたてていましたが、最後の最後に登場する男の顔のアップがとても淋しそうでした。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 19:50| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月24日

2007年6月16日 B.DASH

今月のB.DASH上映会は観客がちょっと少な目でしたが、作品としては、問題作が多く、良くも悪くも自主映画の面白さを堪能させていただきました。この上映会の面白さは、ある意味、膨大な自主映画作品群の中での仁義なき戦いというか、ベテラン自主映画作家VS若手自主映画作家の激突という構図が鮮明になってきつつあるように思います。もちろん、1ヶ月に6,7本というスケールではすべての全貌が見えてくるわけではありませんが、PFFなどとは違い、もっとディープな世界の一端は垣間見る事が出来ます。一般的に評価の高い作品は、案外いつでも見る事が出来ますが、B.DASH上映会の作品、特に若手監督の作品は、ひょっとするとこれが最後の上映になる可能性が大かも。

本日の上映作品
● 野本大監督「*@17 」
数年前の日本映画学校の卒業制作作品ということです。自殺志願の二人の女子高生を追った問題ドキュメントですが、監督が何を言いたいのかよく解りません。作品の語り口も含めて、舌っ足らずの感じがしました。たぶん、ドキュメンタリーとしての主題があるはずですが、そこが見えないのは、決定的な致命傷です。自殺志願というショッキングな内容なだけに、かなり問題あり。
● 林和哉監督「さればこそ」
短編という事もあるのでしょうが、起承転結のいちばん良い所だけをハイテンションでぶっとばした感じの作品です。ほとんどが役者の会話のみ。もちろんディスカッション・ドラマもありですが、ドラマの流れが無いので、かなりきつい。もちろん、習作としてはありですが、その辺は、撮り続けることによって解決するのかも。
● 小原茂樹監督「カワカナイカサブタ」
小原監督の作品を見るのはこれで3本目ですが、シリアス・ドラマは初めて。とは言っても、肩の凝る作品ではなく、監督自らが主演したアクションあり、ラブストーリーありの娯楽作品です。ドラマの対立軸がはっきりしているので、見ていてワクワク。カーチェイスなどはハラハラドキドキです。タイトルの「カワカナイカサブタ」は作品の内容を見事に現していて秀逸です。
● 山岸信行監督「恋する乙女のラプソディー」
B.DASH上映会では、ほぼ定番化している山岸監督の旧作。今回は、10年ほど前の8mm作品ですが、いつもの山岸テイストの原型を見るという意味では、貴重な作品でした。
 今、ボクの把握している範囲では、自主映画監督の中で、女性映画をとれる監督はほとんどいませんが、ひょっとすると、山岸監督は女性映画を撮れるのではないかと秘かに期待しています。今回の作品は、たぶん、明らかに失敗作だと思うのですが、その辺のポイントはしっかりと存在していました。うーん、スケベで、ドキっとするような女性映画を自主映画でも見たいものです。
● マシュー監督「紅葉」
映像のセンスがあるのは、作品としての強みにはなるでしょうが、この作品は、ドラマ部分もビジュアルが先行してしまったように思います。物語の中の女優さんも2次元の構図の中にのみ存在しているようで、上映中、きれいな絵はがきを見ているような感じでした。その点では、かなりキツイ作品でしたが、女優さんがステキなだけにちょっと残念。姉妹のドラマという切り口は面白いので、次回作に期待しましょう。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

2007年5月19日 B.DASH

すっかり定番化したB.DASH上映会。バラエティに富んだ番組は、それなりに楽しみですが、作品のクォリティという面では、玉石混交という感じです。しかし、自主映画のフィールドを広げるという意味ではそれもありかも。上映会終了後に行われている自主映画のミーティングもそれなりに人気があり、将来は、ステキな作品がそこから誕生する可能性もありそうです。

本日の上映作品
● 平田健監督「Love Dollに花束を」(3分)
上映会終了後のミーティングで作られた作品。時間的な制約などもあり、どちらかというと即興的な意味合いが強い作品ですが、習作としてはこういう作品もアリでしょう。
● 川又大治監督 「空を仰げば‥」(27分)
川又監督は、にっかつ芸術学院出身の監督らしく、基本ははずしていないのでそれなりに楽しめました。ドラマの筋立てなどもちゃんと計算されているし、なによりも作家の語り口がしっかりしているので、安心して見る事ができました。
● 阿部誠監督「スマイル5」(25分)
阿部監督のスマイルシリーズ第5弾。サイレント喜劇をベースにしたシリーズですが、さすがにちょっと苦しくなってきたようです。今回は、やたら説明のテロップが多く、映画のリズムもとぎれがちでした。ギャグもマンネリ気味ですが、暖かい目でみて、次回作に期待しましょう。
● Alexandre Mothe監督「SUND」(14分)
例えば「男はつらいよ」の音声を消して90分上映をしてもサイレント映画とは言わないでしょう。この作品は、果たしてサイレントにする意味があったのかどうか?。それ以前にサイレント映画とは何であるか。という解釈が全く出来ていない。まして、喜劇の基本的な所もわかっていない。そんな感じの作品でした。個人映画であり、自主映画なのだからなにを撮ってもかまわないけど、もう少し勉強した方が良いんじゃないかな?。
● マッドシティ監督「おもしろポンチ2作」(10分)
マッドシティ監督に関しては、松岡宮プレゼンツ「赤坂銀河祭り」2006年12月14日(http://bokurasouko.seesaa.net/article/30353976.html)をご覧下さい。
● 古川達郎監督「天使の羽根 僕の勇気」(20分)
この作品を大画面で見るのは久しぶり。自主映画の中ではスクリーンに掛かる事が多い作品で、今回も楽しませて貰いました。それにしても「天使の羽根」シリーズ、まとめてどこかで上映してくれないかなぁ。
● 山岸信行監督「鏡の中の恋人」(20分) 
B.DUSH上映会の功績のひとつとして、、山岸監督の旧作の連続上映があげられます。毎月1本ですが、連続して一人の監督の作品を見続けられるという事は、とても貴重な事だと思います。特に自主映画の世界ではめずらしいんじゃないかなぁ。この作品も鏡を上手く使った山岸監督流のエンターティンメントに仕上がっていると思います。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月25日

2007年4月21日 B.DASH

4月のB.DASHはちょっと楽しみでした。それは、小原茂樹監督の作品がラインアップされていたからです。小原作品は「熱球物語DX」1本しか見ていないのですが、コメディとしては、かなり面白い作品で、インディーズ系の喜劇作品としても傑作の1本だと思っています。小原作品はそれから何回か見る機会があったのですが、都合が付かず、今回は「熱球物語DX」以来、約2年3ヶ月ぶりの小原作品ということになります。
 こんな事もB.DASHならではの事かも。その意味では感謝、感謝の上映会でした。

本日の上映作品
● 小原茂樹監督「特殊相対性幸福論」(25分)
インディーズ作品を見る楽しみはいろいろありますが、やはり一番の楽しみは作家のパワーが感じられることです。2年3ヶ月ぶりの作品は、旧作でしたが、小原監督のパワーが満ちあふれている作品でした。特に凄かったのは、シナリオ構成と演出。計算されたギャグは見ていて気持の良いものでした。ある意味コメディの基本を忠実に映像化しているので、安心して見ていられる。また、ストーリーのメリハリも見事で、シナリオの巧さが目立ちます。惜しいのはちょっとスケール感が乏しいこと。せっかくあれだけの組織が登場したのですから、本当は世界戦争や地球の滅亡クラスのスケールがあると、もっと良かったかも。しかし、案外幸福なんてものは、こんなものなのかもしれません。
●Alexandre Mothe監督「BUDDY」(11分)
刑事と探偵のお話ですが、最後になってやっと状況が解ります。その意味ではまだ物語らしいものはなにも始まらないうちに終わってしまいました。スピーディなアクションシーンなど、上手いカットも結構ありましたが、やはりシナリオが弱いのがかなり気になりました。音楽の使い方が上手かっただけに、ちょっと残念。
● 中町充彦「夏草の誘い」(20分)
自主映画らしい作品。こういう作品は大好きです。冒頭部分はちょっと雑な感じがしますが、時間が進むに連れて、あの緩やかなテンポが1シーン、1シーンをちゃんと見せるテンポになっていきます。観客に余韻を与える作品は商業映画でも多々見られますが、観客の余韻を引き出す手法は案外、自主映画ならではのものなのかも。このへんの作品は多分監督の感性かかなり影響してくるのでしょう。できれば他の作品も見てみたいと思いました。
● 宮田けい監督「ぱふぇ」(9分)
いろいろな意味で、テクニックがあるということは、それなりに見せる事が出来るという事を実感した作品です。この作品もシナリオや演出がしっかりしているので、十分楽しめました。出演者もある程度上手いのですが、男優二人の影がちょっと薄かったんじゃないかな?。案の定、ラストの男優二人のシーンはアドリブという事を差し引いても、ちょっといただけませんでした。
● 今井洋祐監督「She is gone」(3分)
アニメーション作品と言って良いのでしょうか?。撮影した映像を1コマ1コマトレースしたそうで、時間が莫大にかかったそうです。殆ど努力賞ものの作品ですが、このような作品をみられるのも、こういう上映会の魅力の一つです。
● 古川達郎監督「天使の羽根 震災のメリークリスマス」(20分)
先月にひき続き、見ることが出来た古河作品。この作品は、去年、トリウッドで見ていますが、今回は、スクリーン・サイズ、16対9での初上映だったそうです。作品の印象は前回と変わりませんが、、今回も、母親の存在が描かれていなかったことが、ちょっと気になりました。
● 阿部誠監督「スマイル4」(25分)
毎回、やりたい事が良く解る阿部監督のサイレント作品。いつもそれなりに安定していますが、今回は上映時間が多少長めだったせいか、シナリオ構成がちょっと間延びしたように思います。一つ一つのギャグは悪くないだけに残念。今回も自作自演、阿部監督のキャラクターは面白く、毎月1本見せられると、ちょっとクセになりそうです。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

2007年3月17日 B.DASH

今月も高田馬場ババチョップ・シアターヘ。3月もいろいろな上映会がありましたが、都合が悪く、結局、自主映画関係はこの上映会だけの参加になりました。B.DASHも今年に入ってから、新方式で観客動員も多少上向きになってきたようです。

●本日の上映作品
古川功三郎監督「鍵と銃」(40分)
語り口がまだるっこしく、誰が主人公なのか良くわからない。センスが良いだけに残念です。多分、シナリオ作りが上手くできていないのが原因でしょう。その面ではもっと映画を見て研究して欲しい所です。監督はこの作品で、何を言いたかったのか?。その辺はある程度、作品を撮り続けて行くことで、解決出来ると思います。
● 中山柔監督「chelsea rain」(4分)
女優さんのプロモーション作品との事ですが、多分、作品よりも実物の女優さんのほうが魅力的のような感じがします。一番の問題点は監督自身が被写体に惚れ込んでいない事。映像は綺麗でしたが、肝心の女優さんが映像に負けていました。
●中山柔監督「sunny rain」(7分)
雨の日の情景が上手く出ている作品です。写真で勝負したのが良かったのかも。ナレーションの構成は秀逸でした。
●Dirwong監督「銃・戦」(4分)
携帯で撮った作品。銃撃戦のみ。アクションは悪くないが、それだけ。
●阿部誠監督「スマイル3」(25分)
先月のチャップリン的な作品よりも、今月の作品の方が、サイレントに磨きが掛かっていると思います。サイレントを良く研究しているので好感が持てました。しかし、オリジナリティという点では、どうなんでしょうか?。
●磯辺康広監督「春夏秋冬」(6分)
一つのメルヘンとしては成り立つのかもしれませんが、ラストが不明瞭。良くある話しだけに結末は一目瞭然だと思います。どちらの結果を採用するとしても、はっきりした方が良いし、ひねりは必要だと思います。
●山田 勉監督「図書室の本」 (10分)
短編としては傑作の1本でした。とても丁寧な作りはなかなかの物です。現在と過去のバランス加減がとても良い感じ。役者の演技も十分計算されていて、たった10分の間に登場人物の人生がくっきりと描かれていました。
●古川達郎監督「時のすみか 夢のすみか」(15分)
「探偵 麻生よう子」の古川監督のSF作品。特撮、合成が素晴らしい作品です。SFとしての、タイムスリップ物は整合性が難しいのですが、それよりもしっかりとした演出力が見事でした。この作品でも星野佳世が演技派として好演しています。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年3月3日 日本映画学校 第19回卒業制作上映会

日本映画学校の卒業制作上映会に行って来ました。今回は3日間で12作品の上映でしたが、ボクが見たのはそのうちの4本。どれもかなりの力作というか、さすがに技術的にはかなりの作品ばかりで、自主映画のフィールドに比べ、レベルの差を感じました。しかし、内容はどちらかというと自主映画の方が荒削りですが、レベルは高いようにも思います。これは、やはり映画に関わっている年月の差なのかもしれません。日本映画学校の若い感性は貴重ですが、それなりにまとまっているのがちょっと残念。勿論この4本で全ては計れませんが、もう少し感性的な部分での破綻があった方が面白かったんじゃないかな?。今回の作品の中に、「痴漢日記」の富岡忠文監督が俳優科の卒業制作として撮った作品があり、ちょっと気になったのですが、時間の関係で見る事が出来ませんでした。

本日の上映作品
● 吉川里絵監督「風にのせて」
高校生のクラブ活動を舞台に、ある意味等身大の青春が繰り広げられる。その意味では平凡ではあるが、それが案外成功しているようにも思う。ただ、あまりにも古臭い青春のように思うのだが、若い世代でもこういう青春はあるのだろうか?。この作品は悪くはないのだが、一番大切な所で、アフレコがズレていたのが致命傷。他のシーンは多少ズレていても問題は無いが、一番の見せ場でのミスはやはり決定的と言わざるおえない。
● 池田南監督「キャラメルドロップ」
この作品、しつこいほどキーワードが出てくる。それとかなり不自然な青春のようだが、その辺のリアリティはどうなのだろう?。田舎と都会とのバランスもかなり悪い。その辺は、企画自体の問題でもある。若さと言ってしまえばそれまでだが、それはこれからの人生の中で理解して行く事なのだろう。その意味では卒業制作らしい青春の1本だった。
● 和田萌監督「モノつくる風景」
これも卒業制作らしい1本。ドキュメンタリーのネタとしては申し分ないが、ネタの絞り方が出来ていないので、漠然とした作品になってしまったように思う。魅力あるネタが多いので、作ろうと思えば、この設定で、5本くらいは製作可能。実に勿体ない。監督は何をメインにしたかったのだろう?。
● 中野香、松本亮介演出・撮影・編集「ゆいもの」
今回見た作品の中では一番不安定な作品であったが、その分、どうなってゆくのか解らない、ハラハラドキドキの魅力ある作品であった。他の作品は、どちらかというと、外へ外へと向かっていて、ちょっと背伸びをしたような感じだが、「ゆいもの」は、まるで、自問自答するかのような主演の中野香の内面を掘り下げてゆく事で、中野香の家族、そして社会が全面に押し出されてくる。それはあくまで、中野香の青春の彷徨、ただそれだけの事なのだが、その混沌は正しく現代社会の一部分のようである。案外、それは題材としては当たり前過ぎるのかもしれないが、中野香を通して、現在の日本社会が見えてくる。製作グループがどこまで計算していたかはわからないが、この感覚は見事だった。
 この作品を見て、原一男監督の「極私的エロス74・恋歌」を思い出した。別に、ウーマンリブとかではないが、、中野香の生き様を通して、中野香の親戚や家族の方々のオーラが色濃く反映されているように思う。とりわけ中野香のお母さんが素晴らしい。青春真っ直中の中野香の存在感は、まるで、新しい女優の誕生に立ち会うような感覚だった。(担当:犬 大太)
posted by 13号倉庫 at 14:06| Comment(1) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月26日

2007年2月17日 B.DASH

馬場チョップシアターのB.DASH上映会に行って来ました。この週末は3連チャンで結構ハード。この所のB.DASHは出品者も固定気味。また、前後のイベントがかなりハードなものなので、ちょっと気乗りがしなかったのですが、とりあえず足を運びました。

本日の上映作品
● 地場博文監督「a cafe tale」
最近は物忘れが日常化していますが、「結婚狂想曲」の地場博文監督のこの作品もどんな作品だったのか全然思い出せません。ただ、27分の作品ですが、上映中凄く長かったような感じは覚えています。
● 山岸信行監督「荒野のアリス」
巨匠、山岸監督の代表作とも言うべき作品。案外単純なストーリーですが、次から次へと登場する豊かな発想の映像は、映画ならではの楽しみが満載です。特に8m映写機の使い方は秀逸。これは映像作家ならではの発想で、映画内映画とでもいうべき、自由な発想がそこにあります。その他、小技も満載。ストーリーの語り口は、もちろんいつもの山岸テイストで、最初から最後まで、ワクワクドキドキの48分でした。先月の「幻の女」を始め、この時代の山岸監督作品は傑作揃いなのかも知れません。次回もぜひこの時期の作品を見てみたい所です。
● マッドシティ監督「変態電車」
タイトルでは「変態電車」ですが、変態でも痴漢でもありません。マッドシティ監督に関しては、松岡宮プレゼンツ「赤坂銀河祭り」2006年12月14日(http://bokurasouko.seesaa.net/article/30353976.html)をご覧下さい。
●阿部誠監督「スマイル2」
チャップリン作品に影響された、阿部監督のサイレント作品。阿部監督は、自作自演で大車輪の活躍をみせてくれます。今回の作品はペーソスが漂う良い感じの作品に仕上がっていますが、構図、ストーリーともほぼサイレント作品の習作という感じ。実際に多少でもオリジナルの部分になるとガタガタになってしまうのが、とても気になりました。阿部監督のキャラクターが魅力的な分、ちょっとおしい。
● 今井洋祐監督「SEED」
とても美しい作品ですが、それ以上でもそれ以下でもありません。この手法はもうかなり昔、篠山紀信が山口百恵を使って作った作品が有名ですが、勿論被写体にそれほどのインパクトがないので、かなりきつい。ストーリーも映像中心のためか、もう一つという所です。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 08:22| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月24日

2007年1月28日 「ミルクマン2」完成記念上映会

考えてみると、2007年は真冬の暖冬傾向といい、ちょっと変な感じの時間が流れているように思います。これは、ひょっとすると音楽やインディーズ映画の水面下の地殻変動がそろそろ地表に到達する気配なのかもしれません。今年は、年頭から、ちょっと見逃せないイベントが続いています。今回の岡本泰之監督「ミルクマン2」完成記念上映会もその流れの一つ。ここ数年、「ミルクマン2」製作の話は聞いていたものの、その実態がいよいよ白日の下に……。兼ねてから、カルト作品として、いつも話題に上る「ミルクマン」(第一作)も上映されるとあれば、やはり見ないわけにはいきません。
 当日の観客は約50名。会場は「野方区民ホール」ですが、この日の雰囲気は正に池袋にあった「スカム2000」といった感じでした。今回の上映会の司会・進行はスカム2000「シネマキャバレー」でお馴染みのトックさん。これはもう、「シネマキャバレー」の復活?、という感じです。そう言えば、去年の「シネマキャバレー」最終回も岡本監督の「油揚げの儀式」のDVD発売記念を兼ねた上映会でした。

本日の上映作品
● 岡本泰之監督「ミルクマン(修正版)」90年 8mm(DV上映)
岡本監督の「油揚げの儀式」はDVDでも発売されているので、見る機会はありましたが、この「ミルクマン」は長い間見る機会がありませんでした。それでも岡本監督といえば「油揚げの儀式」と、この作品が常に話題に上り「油揚げの儀式」とは別の意味で、岡本監督の代表作という所でしょうか?。岡本作品の楽しみと言えば、やはり発想の豊かさがあげられます。今までに見た岡本作品は、映像の語り口の豊富さも魅力の一つに挙げられますが、それは、シッカリとした技術の裏付けがあってのものです。その裏付けは一体どこから来ているのか?。それは、岡本監督のブログなどをみているとわかりますが、見ている映画作品が半端じゃない。
 さて、「ミルクマン」ですが、これは若き岡本監督の感性がキラキラと光る傑作でした。この時代(90年代)はほとんどインディーズ作品は見ていないのですが、インディーズ映画史に残る傑作といっても過言ではないでしょう。若き岡本監督の、ともすれば、ブレーキの効かない感性と、主演の加藤義勝さんの、これまたブレーキの効かない迫真の演技。加藤さんがこんなにも美少年だったとは!。これじゃぁ、まるで、ジャニーズではないか!。作品からほとばしるイメージは、8mmのフレームをも飛び越えて、見る者の脳髄に突き刺さってきます。何となく、カルトムービーの臭いが感じられる作品。8mmの面白さが十二分に伝わってくる作品でした。ちなみに修正個所は、音楽をオリジナルに入れ替えたとの事です。
●金子大輔監督「ミルクマンB」90年 8mm(DV上映)
「ミルクマン」のNGフィルムやその他のフィルムを繋げた作品と、いってしまえばそれまでですが、金子監督の「ミルクマン」への思いは十分すぎる程に伝わってきます。それどころか「ミルクマン」製作過程の騒乱を見事に客観的に繋げた編集は見事です。これは、もう1本の「ミルクマン」であり、正しく「ミルクマンB」なのです。17年という年月は、たしかにヤンチャな学生が成長するためには必要な時間だったのかも知れません。その意味ではこの作品がいちばん怖い作品といえるかも。
● 岡本泰之監督「ミルクマン2」
岡本監督の新作「ミルクマン2」は期待通りの傑作でした。今回の上映会は「ミルクマン」を起点とした岡本監督の17年という歳月を見るという恵まれた上映会でもあったのですが、この17年という時間の流れそのものが「ミルクマン2」の中にしみ込んでいて、何とも言えない味わいを醸し出しています。それが、この作品の魅力の一つでもあり、主演の加藤さんのちょっと重そうですが、案外俊敏そうな演技と、それに呼応している岡本演出がとても魅力的です。「ミルクマン2」は、2007年の岡本、加藤コンビでなければ出来ない作品だったと思います。それを象徴するのがゾンビ・ミュージカルのようなラストの盛り上がりです。多分この質感は、今でなければ出せない味だったのではなでしょうか?。それを含めて、「ミルクマン2」は、正に混沌とするだろう、2007年を象徴している作品なのかもしれません。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月22日

2007年1月20日 B.DASH

新年最初の自主映画上映会。今年もまた、自主映画ならではの突き抜けた表現をたくさん見たいと思います。
 さて、高田の馬場で毎月第3土曜日に行われているB.DASH上映会。とりあえず年を越えても開催されているのは、主催者・宮田さんの努力の賜物だと思うのだけど、やはり最大のネックは観客動員です。自主映画はいろいろなパターンがありますが、果たしてどれだけの監督・団体が観客動員の事まで考えているのかは、いつも悩む所です。確かに作品を作るという事は、並大抵の事ではありません。作家の中には、作品を作る事で完結してしまったり、作品をコンテストに出して、それで良しとしている監督もいるでしょう。しかし、作品というものは、たくさんの人に見られてこそ意味があるのではないでしょうか?。
 ひょっとすると、その為の努力は、作品を作るよりも大変なことなのかもしれません。インディーズのバンドもそうですが、果たして、観客がいるのかどうかも、現実にはよくわからない所です。しかし、実際に作品が現存しているのは確かです。そして、その作品たちの多くは、観客に見られたがっていると思います。じゃぁ、どうすればいいのか?。多分、その辺が2007年の課題なのかも知れません。
 とりあえず、B.DASH上映会。それは、作品を作る方にとっても、観客にとっても、一つの活路になるかのかも知れません。

本日の上映作品
● 山岸信行監督「幻の女」(95年 8mm)
 1時間を越える8m作品(テレシネ)であり、画質の劣化などで、結構見るのがしんどいと思われましたが、意外とスムースに見る事ができました。
 ビデオが普及する前は作品を作る手段としては、8mしかなく、ビデオのようにすぐに再生はできなかったので、映像に関しては、かなりの技術と経験がものをいう8m映画の世界。また、編集もフィルムとフィルムをスプライシング・テーブで繋ぐという、ある意味原始的な作業のため、短いカットが続くところでは、ちょっとトラブッてフィルムが映写機にひっかかり、燃えてしまうなど、今となっては懐かしい想い出ですが、ビデオと比べると趣のあるフィルムの画質はなんとも言えないモノがあります。
 「幻の女」はボクの見た8m作品としては、ストーリーのしっかりした作品で、山岸監督を始めスタッフ、キャストの意気込みが、凄く感じられる作品になっていました。ある面では後年の山岸作品のテイストは全てここにあるといっても良いでしょう。もちろん、作品の完成度は後年の山岸作品には多少劣ると思いますが、むしろそのストレートな表現は山岸監督の原点を探るうえでも貴重な作品でした。この作品の挿入歌(中瀬浩二)は一聴の価値あり。
● 鶴岡みゆき監督「その男が俺に与える不安」(02)
 この作品は、去年の8月の、あらいつづく監督の上映会、Cinema Clova vol.2で、スクリーンで見たばかりです。鶴岡監督独特のスピード感は、何度見ても面白く、ストーリーも飽きさせない展開になっていると思います。
● 山崎博英監督「カリントウ」(06)
12月のB.DASHで上映された、短編「ばばちょっぷ酢」シリーズの第1弾。感想は12月のB.DASH上映会レポートをご覧下さい。
● 阿部誠監督「ミスター・ペー」
 2本続いて生理現象作品となりましたが、阿部監督の作品は基本的にサイレントの手法を取り入れた作品でした。阿部監督自体、かなりサイレント作品やアクションなどがお好きのようですが、果たして、生理現象自体が喜劇になるのかどうかはちょっと考えたほうが良いのではないでしょうか?。もう少しひねり技が欲しかったと思います。
●アキロー監督「「recovery」
 この作品も12月に見たばかりです。海老名プレミアム映画祭準グランプリ受賞作品。感想は、12月のA PICTURES上映会レポートをご覧下さい。
●土田豪介監督「相庭恋愛専門探偵事務所」
 この作品の感想も、12月のA PICTURES上映会レポートをご覧下さい。(担当:13号倉庫)
posted by 13号倉庫 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月22日

2006年インディーズ映画ベスト10

2006年は、スカム2000閉館の影響と、スケジュールが合わなかったこともあり、新作、旧作合計80本と、去年の137本から大幅に減少してしまいました。その為、今年は気になった作品10本+1本(参考)を紹介するに止めます。去年同様、独断と偏見で選んだ10本です。一応1監督1作品、制作年度はなるべく新しい物を選びました。
 今年の傾向としては、スカム2000の閉館により、インディーズ作品を網羅する上映会が、高田馬場で9月から始まったB・DASH上映会までとぎれてしまい、その間、各団体ごとに行われる新作上映会が乱入のメインとなったのですが、上映会の告知など、もう一つ情報が届きにくかったので、重要な上映会などに足を運べませんでした。上映会は、ネットで調べる限り、去年並か、ちょっと少な目だったように思いますが、岡本泰之監督「油揚げの儀式」、松田彰監督「夢の祭」など、インディーズ系DVDのメジャー発売もあり、インディーズ映画にはそれなりの活気はあったように思います。

●古川達郎監督「探偵 麻生よう子」
古川監督作品としては「震災のメリークリスマス」も良かったのですが、1本となるとこちらの作品でしょう。この作品の見所は、インディーズ映画のベテラン、星野佳世の名演技です。彼女としては高橋亨監督の「どめくら」で助演としての名演はあるものの、全編出ずっぱりで、ちゃんとした演技をしたのは、恐らくこれが初めてではないでしょうか?。

● 山岸信行監督「怨霊の棲む家」
インディーズを代表するホラー映画監督。個人的には「死美人の恋」の方が好きですが、ここではオーソドックスで解りやすい、こちらの作品を挙げておきます。インディーズの中ではちゃんと娯楽映画が撮れる監督の一人です。

● あらいつづく監督「hot moon,honey dog」
失礼ながら期待していなかっただけに、「hot moon,honey dog」 は今年のうれしい作品の1本になりました。密室劇としての密度は、まだまだですが、一つ一つのギャグがちゃんと計算されているので、ツボを外しません。正統的なコメディ作品の1本

● 中村犬蔵監督「メカデンキネコ逆襲」
ストーリー、設定などは気に入りませんが、とても完成度の高い作品です。技術面ではかなりレベルが高く、コレを1時間程度の作に仕上げるパワーは賞賛に値すると思います。

●竹内 幹監督「うちゅうさん」
良くできた喜劇です。隅の隅まで計算されているのがとても嬉しい。久しぶりに筒井康隆のSF小説を思い出しました。少し前の作品ですが、いろいろな所で上映して欲しい作品です。

● 下倉功監督「シルク」一般公開版
一度上映されただけでDVD化されてしまったのは残念です。元々は4時間の作品で2時間に詰めた本作品は4時間版とはニュアンスがちょっと変わってしまいましたが、オーソドックスな展開で、見所十分です。

● 石出裕輔監督「ハナコさんの日々」
この作品は2002年の作品ですが、上映にあたり再編集。題名も「店長は不在中!」から「ハナコさんの日々」に変更したそうです。基本的にはトレンディー・ドラマの系列に入りますが、約1時間、一気に見せる演出力は見事です。

●太田 宏監督「愛鍵」
見応えのある作品を次々に発表しているシネマドック作品。今回もシナリオが良く、監督の手堅い演出が効果を上げています。

● 松田 彰監督「冬の幽霊」
松田監督の作品としては、物足りなさが残る作品です。松田彰監督紹介カタログのような作品で、演出など、松田彰的な物は全て入っているようにも思いますが、もう一つ、いままでの作品のようなパワーが足りないように思います。

● Presented by GO「最後の願い」
24時間で作品を創り上げるという制約の元で作られた作品ですが、この作品は案外それで成功しているのかも。ムダがほとんどなく、逆に必要最小限のキーワードの組み合わせで、インパクトのある作品になったように思います。

参考
● 鶴岡みゆき監督 「This is my Life」
昨年のベスト1「VISITORS」に続く、鶴岡監督の最新作。96分の長編ですが、今回も見応え十分の作品に仕上がっています。上映機会が少ないのが残念ですが、現在、鶴岡監督自ら本作のDVDを配布中です。興味のある方は鶴岡監督と連絡を取ってみてはいかがでしょうか?(この作品は13号倉庫が多少関わっているために参考扱いとします)。(担当:犬 大太)





posted by 13号倉庫 at 05:27| Comment(4) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月31日

2006年12月17日 B級ランダム30周年記念作品「キャメラ」上映会

一つの団体が30年も続くというのはある意味、奇跡に近いのかもしれません。その意味では自主映画団体の中でも老舗といえるかも知れないB級ランダムですが、そのパワーと意識は現在でも衰えることなく脈々と流れているように思います。
 今回の企画は、30年周年にふさわしいスケールの大きな企画であり、それに参加する各団体もまた、強者揃いという、きわめてスリリングな上映会でした。しかし、それは、あくまでも制作者側の問題であり、果たして、作品としてはどうであったのかは、かなり微妙だったように思います。もちろん、映画制作を楽しむという姿勢には、なんの批判もないし、むしろそれが30年も続いている事はいくら賞賛しても、しきれるものではありません。

4本の作品がそれぞれに関連しながら1本の核になる映画「キャメラ」に集結するという企画は、とても面白いと思うし、観客を楽しませる仕掛けも無数に混入できるはずです。しかし、それには、多大な制約も発生するだろうし、それなりのコントロールも必要になると思います。しかし、その所は、残念ながら成功しているとはいえませんでした。それは、上映の順番にもいえる事で、本来なら、最後に上映すべき「キャメラ」が最初の上映という事で、作品の印象がバラケてしまったのは、ちょっと残念です。しかし、それぞれの作品はそれぞれに影響しあっているという醍醐味は今回の上映会の見所の一つでした。

本日の上映作品
●内海春男監督「キャメラ」
本来ならメインを貼る作品で、他の4本を統轄する作品になるはずだったと思うのですが、今回の企画の説明に終わっているのが残念な所です。他団体との連帯を含め、この企画の難しさが如実に出てしまったのでは?。
● 繁田健治監督「あの日を忘れない」
映像の綺麗さは今回の上映会では特筆されると思います。イメージ・フィルム的映像は、自主映画の特徴の一つでもあり、それは、今回の企画のジャンルとしても成立いているとは思います。ただ、繁田監督にもB級ランダムにもそれ以上の物を求めるのは、ちょっと酷なのかも……。
● さとうさん監督「キャメラ(芸社版)」
この作品は、2006年2月11日の「映像温泉芸者上映会その13」でも上映されているハズですが、記憶がありませんでした。今回はある意味ではアウェイでの上映という事になるのでしょう。ある意味、「キャメラ」という制約のなかでの作品という事で、作者の巧さが目立ちました。
● 有瀬訓晴監督「メイキングオブキャメラ」
「メイキングオブキャメラ」というタイトルではありますが、メイキングでも何でもない作品です。しかし、この作品が一番「キャメラ」という作品にマッチした作品だったと思います。こういうレベルの作品が揃っていたら「キャメラ」は傑作になっていたかも知れません。他の作品が縛りのあまり、その中で悪戦苦闘したとすると、この作品は縛りの範囲内で、自由に作られたという、奇妙にも自然体の作品になっていた所がユニークでした。
●古川達郎監督「探偵 麻生よう子」
今回の上映会の中では、一番場違いな作品だったのがこの作品です。B級ランダムと古川監督がどのような関係があるのかは解りませんが、はっきりいって「キャメラ」を考えた場合、これは、決定的なミスマッチだと思います。
 しかし、1本の作品としては、今年見た作品の中でも屈指の作品に仕上がっていました。「震災のメリークリスマス」の確実な演出力が今回はさらにパワーアップ。演技陣の頑張りもあって、約1時間の上映時間を見事に駆け抜けたように思います。今回、特筆されるのは麻生よう子役、星野佳世さんの演技です。星野さんは、自主映画の世界ではもうベテランの部類に入る人気女優さんで、どちらかというと、アイドル的な出演が多く、ハッキリ言って、これまでは、どれだけまともな演技ができるのか、よく解りませんでした。実際に監督の技量の問題もあります。昨年の高橋亨監督「どめくら」では、夫婦役で良い味を出していましたが、今回の星野さんは古川作品を根底から支える名演技を見せてくれたと思います。特に特別出演の南原健朗さんとのシーンでの密度の濃さは、古川監督の演出と共に、この作品の決定的なシーンでした。
 今回の古川演出は、アクション映画という事もあり、スピーディな演出でしたが、全編、古川監督の人柄が染み出ていて、単なるアクション映画以上の物になっていたと思います。しかし、描きすぎの部分もあり、その辺のダイエットがあれば、作品として、もっと迫力を増したと思われます。「探偵 麻生よう子」は第1作目にして、はやくもシリーズ化の予感。というか、できればシリーズ化を望みます。(担当:13号倉庫)


posted by 13号倉庫 at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月16日 B.DASH

高田馬場ババチョップシアターのB.DASH上映会も今回で4回目。少しずつではありますが、上映会としての形ができあがりつつあります。自主映画団体主催の上映会とは違い、ある程度、客観的に見られる上映会の存在は貴重です。観客動員の面ではちょっと難しい面もありますが、自主映画の名画座として頑張って欲しいと思います。今月の上映会も問題作・力作が目白押し。観客は約20名前後と少しずつではありますが、定着してきているように思います。

本日の上映作品
● 米田隆司監督「激動と国民覚醒の2005年」
先月の上映作品「足下2005」は全編足元のみの映像でしたが、今回は全編腕のアップに終始。ドキュメンタリーという性質上、それなりの制約があるのかもしれませんが、これはある種、米田監督のこだわり映像なのかも。ただ、もう少し細部に気を使って欲しいと思うのは、テロップや字幕があと2秒くらい長く欲しかった事です。勿論判読のスピードは個人差があると思いますが、ボクは最後まで読めませんでした。米田監督の視点は、解らないでもないのですが、より解りやすい作品にするためにも、もう少し、映画としての基本的な技術や演出方法など、考えたほうが良いのでは?。
●山崎博英監督「カリントウ」(06)
ババチョップシアターが制作する、短編「ばばちょっぷ酢」シリーズの第1弾。この先、このシリーズがどのような展開を見せるのかは、まだ闇の中ですが、案外名物シリーズになるかも。ただ、今回のウンコネタはいただけない。というよりも、遙か昔から、ウンコネタは腐る程あり、つい最近も1本見たばかりです。基本的には確実に笑いを取れるのかも知れませんが、ちょっと今回はベタでした。
● 宮本高志監督「FUTURE BLUE」
奇才、鶴岡みゆき監督作品「FB2nd BLACK CAT the Eccentric」の前編にあたる作品で、長いこと見る事が出来なかった、幻の作品。
 宮本監督の作品を見るのは「WHITE COLOR」、「解体∞構築」に続く3本目ですが、今回もちょっと不完全燃焼の感じがします。それは、監督の語り口の問題だと思うのですが、どこかもどかしい。恐らく宮本監督のイメージの中ではこの作品の数百倍ものイメージがあったのではないでしょうか?。それは多分、作品を撮り続けて行くことで、より明確に出てくるものだと思うのですが、その点では、作品を作り続けて欲しい監督の一人でもあります。
 鶴岡みゆき監督作品「FB2nd BLACK CAT the Eccentric」は、「FUTURE BLUE」の不完全燃焼の部分を、鶴岡監督なりにクリアにしているというか、より、解りやすい作品になっています。この辺は、作品の流れとして鶴岡幸治プロデューサーの苛立ちが見えてきて、興味がわく所です。当たり前の事ですが、FB2nd BLACK CAT the Eccentric」は、「FUTURE BLUE」なくしてはあり得なかった作品です。逆に言うと「FUTURE BLUE」は、「FB2nd BLACK CAT the Eccentric」によって甦ったという事もできると思います。
● 高口公輔監督「エモクウ」
世紀をまたいで、まさか、こんな作品を見ることができるとは思いませんでした。自主映画の世界はこれだから面白い。全編、ヌーベルバーグ風の映像。話はそれなりにあるのですが、むしろ、混沌としている作家の心証風景という感じです。その意味では微妙な綱渡りのようにも思いますが、この作品では案外、成功しているのではないかと思います。たぶん、これは作家のセンスの問題が大きいように思いますが、最近では珍しくツボにはまりました。是非、他の作品も見てみたいと思います。
● 山岸信行監督「死美人の恋」
前回は「恐怖劇場」シリーズとして連作で見たのですが、こうして単独で見ると、山岸作品のレベルの高さが良く解ります。観客のツボを見事なまでに押さえた演出と出演者の個性が作品に厚みを与えています。オーソドックスな展開をしっかり計算に入れ、あくまで、オーソドックスに創り上げる事によって、紬だす山岸作品の面白さは、今が旬。今年のB.DASH上映会の最後を飾るにふさわしい1本でした。(担当:13号倉庫)

 
posted by 13号倉庫 at 05:41| Comment(0) | TrackBack(0) | インディーズ・ムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。